わたるです。

先週、とおるさんが「月次レポートの自動化」の話を書いてました。
今週はその続きで、データ可視化の話を書きます。

技術職っぽいテーマですけど、たぶん経営者の方にも刺さる話です。


エンジニアって、ダッシュボードを作る仕事を頼まれることが、よくあります。

「売上を見える化したい」
「入金状況を見える化したい」
「在庫の動きを見える化したい」

そして、頑張って綺麗なグラフを並べた画面を納品すると、
最初の1週間は、みんな喜んで開いてくれるんです。

「すごい!数字が一目でわかる!」

「これ便利!」

ところが、1ヶ月後、誰も開いてないことがよくあります。


これ、エンジニア側の責任が大きい話なんですよね。
ダッシュボードを作って終わりにしちゃうから。

僕も、若い頃たくさんやらかしました。
グラフが綺麗に出た瞬間、「完成!」って気持ちになるんですよ。
でも、本当は そこからがスタートなんです。


可視化って、「気づくための道具」なんですよ。

気づくのが目的じゃなくて、気づいた後に何かするのが本当の目的。

可視化が目的化してる状態可視化が機能してる状態
グラフを眺めて終わる気づいた瞬間に動ける
月次会議で眺めるだけ異常があれば通知が飛ぶ
データが綺麗に並ぶデータが判断につながる

例えば、売上のダッシュボードを作ったとします。

ダメな設計はこう:

「先月より売上が落ちてるな」って、画面を見て気づく。

でも、何が落ちてるかは別画面を開かないとわからない。

別画面開いてる間に、ミーティングが始まる。

結果、気づいただけで終わる

いい設計はこう:

売上が落ちると、自動で前月比較が表示される。

どの商品 / どの担当 / どの取引先で落ちてるかまで見える。

「○○さんに連絡しますか?」ってボタンが出る。

ボタンを押した瞬間、メールの下書きが立ち上がる

これが「気づいてから動くまでが設計されてる」状態です。


可視化を作る時、いつもチームに言ってるのは、

「見えた後、誰が、何をするか」

これを最初に決めてから、画面を作る。

逆順なんですよ、普通の進め方とは。
普通は「グラフを並べて、後で運用を考える」になりがち。
でも、それだと眺めて終わる画面ができる。


具体例で言うと、ある飲食チェーンさんの売上ダッシュボードを作る時、
最初の打ち合わせで聞いたのは、

「売上が落ちてるって気づいた時、誰が、何をしますか?」

でした。

そしたら、

- 店長は「シフトを減らす」を判断する
- 本部は「メニュー入れ替えのタイミング」を判断する
- マーケは「クーポン配布」を判断する

って、3つの判断者と打ち手が出てきたんです。


そこから、

- 店長用画面: 自分の店の売上 + シフト調整の提案
- 本部用画面: 全店の比較 + メニュー回転率
- マーケ用画面: 客層別の動き + クーポン履歴

って、役割ごとに違うダッシュボードを作りました。

これだけで、全員が違うアクションを起こせるようになった。


ありがちな失敗は、「全員が同じダッシュボードを見る」っていう設計です。

役職も違う、判断する範囲も違う、その人がやれることも違うのに、
1つの画面で全部見せようとする。

結果、全員にとって中途半端な画面ができて、誰も使わない


5月の業務改善月間の文脈で言うと、
もし「ダッシュボード作ったけど誰も見てないな」って画面があったら、

「誰のための画面か」を、もう一回問い直す

これだけで、もう一段上に行けます。


可視化はゴールじゃない。スタートです。

データが綺麗に並んだ瞬間が完成じゃなくて、
そのデータを見て誰かが動いた瞬間が、本当の完成です。

エンジニアとして、ここを忘れずに作っていきたい、って毎回思ってます。