わたるです。
エンジニアとして会社のシステムを見てきた中で、
一番ありふれた病気があります。
それが 「部門間のデータの壁」 です。
具体的にはこうです。
- 営業は自分の Excel で顧客と売上を管理してる
- 経理は自分の Excel で売上と入金を管理してる
- 製造は自分の Excel で受注と材料を管理してる
3つとも、同じ受注の話をしてるんですよ。
でも、データは別々に存在してる。
何が起きるかと言うと、
営業が「受注しました」と Excel に書く
↓
それを見た経理が、自分の Excel に 手で転記
↓
製造には電話で連絡、受注書を紙で渡す
↓
製造の人が、自分の Excel に 手で転記
1件の受注が、3回入力されてるんです。
しかも怖いのは、3つともズレるんですよね。
- 営業は「税抜き」で書いた
- 経理は「税込み」で読んだ
- 製造は「数量を間違えて転記した」
月末になって突合したら、全部の数字が合わない。
それを直すために、経理が3日溶ける。
これ、どの会社にもあります。
規模が大きくなるほど、転記する人が増えて、ズレが増える。
エンジニア視点だと、ここはわかりやすい構造です。
同じデータを、何回も入力してる。
それが、すべての悲劇の根源なんです。
じゃあ、どうやって壁を壊すか。
答えはシンプルで、「1回入力したデータを、みんなで使う」だけです。
具体的には、
| 壁あり | 壁なし |
|---|---|
| 営業が Excel に入力 | 営業が画面に入力 |
| 経理が転記 | 経理はそのまま見える |
| 製造に電話+紙 | 製造もそのまま見える |
| 月末に突合で3日 | 突合はゼロ |
これ、技術的には昔から可能だったんです。
でも、システムを作るのが大変だったから、放置されてた。
ところが、最近変わったポイントが2つあります。
1. クラウドが当たり前になった
部署をまたいで同じ画面を見るって、昔は社内サーバーが必要でした。
今は、ブラウザで開けばどこからでも同じ画面が見られます。
2. 業務を話すだけで作れるようになった
昔は「全社共通のシステム」を作ろうとすると、
1年くらいかかってました。
今は、業務を話して2〜3週間で、最初のバージョンが動く。
動いてから、現場の声で直していけばいい。
ここで、よくある誤解をひとつ。
「全社のシステムを一気に作ろう」とすると、ほぼ失敗します。
いきなり営業 + 経理 + 製造 + 在庫 + 給与を全部つなぐ、
みたいな大プロジェクトは、90%くらい途中で止まります。
なぜかと言うと、全員の業務を同時に変えるのは無理だから。
おすすめのやり方は、1組の壁から壊すです。
たとえば、
- 営業 → 経理 の壁だけ、まず壊す
- 動いて慣れたら、経理 → 製造 を次に
- それから営業 → 製造、と広げていく
ひとつの壁が壊れた瞬間、転記がひとつ消える。
その積み重ねで、会社の動きが軽くなるんですよね。
ある自分の知り合いの会社、社員30人くらい、
営業 → 経理の壁だけを3週間で壊したんです。
それまで月末に経理担当者が 3日かけてた転記作業が、
ほぼゼロになりました。
経理の人、最初は「自分の仕事がなくなるかも」って心配してたんですけど、
代わりに「もっと早く請求書出す」「分析する」っていう方に時間が回せて、
本人も会社も、両方ハッピーになってました。
部門間のデータの壁って、
「気合いで埋めてた」会社が、本当に多いです。
エンジニア視点で言うと、気合いで埋めるべき場所じゃないんですよ。
ここは、機械に任せていい。
人間は、判断する仕事に集中すればいい。
5月の業務改善、もし月末にバタバタしてる人が複数いるなら、
部門間の壁を疑ってみるのがおすすめです。
ひとつ壊すだけで、会社の風景が変わります。