東京の下町で、金属加工の小さな町工場をやっています。
従業員は自分含めて12人、創業して40年。

社長は親父で、自分は2代目です。
今日は、ずっと困ってた 在庫管理 の話を書きます。


うちは、ボルト・ナット・板金の加工が中心で、
数百種類の素材を、棚にずらっと並べてあります。

材料が切れると製造が止まる。
余りすぎると、置き場と資金繰りが苦しくなる。

要は、ちょうどいい量でずっと回し続けたいんですけど、
これがめちゃくちゃ難しい。


これまでどうやってたかというと、
ベテランの目視と勘でした。

朝、棚を見回って「あ、これ少なくなってきたな」って気づいたら、
事務所のホワイトボードに「○○ 発注」って書く。
事務員さんが、それを見て発注書を作って、FAXで送る。

40年これでやってきたので、回ってはいたんです。


ただ、最近、ちょっと厳しくなってきました。

ベテランが定年で2人抜けて、
「気づける人」が減った。

新しく入った若い子は、そもそも何が「少ない」の判断基準かわからない。

「これ、減ってます?」

「うーん、人によるかな…」

って会話が、よくありました。


それで、結果的に、

- 切れてから気づいて慌てて発注 → 製造が3日止まる
- 余ってると思って発注しなかったら、実は奥に隠れてた在庫が古い
- 同じ材料を 2人が別々に発注して、ダブった

みたいなトラブルが、月に何回か起きるようになっちゃって。


知り合いの紹介で Navi を試すことになりました。
正直、ITには一切自信なしです。
スマホもギリギリ、パソコンは事務員任せです。

最初の AI との会話は、こんな感じでした。

「在庫管理で困ってることって何ですか?」

「気づくのが遅れる、ですね」

>

「今は誰がどう気づいてるんですか?」

「ベテランが棚を見て、勘で。あと事務員さんが伝票見て」

>

「最低限残しておきたい量って、決まってますか?」

「決まってないです。人によります


この「人による」が、まさに問題の核心だったんですよね。
AI に話しながら、自分でも気づきました。

棚に数を持たせよう」っていう話になりました。

つまり、棚側に「これ以下になったら知らせる」っていう数字を持たせる。
人の目じゃなくて、棚自体が気づく仕組みです。


3週間くらいで、簡単な画面ができました。

- 棚ごとに材料と現在数量を登録
- 入出庫を記録すると、数が動く
- 設定した最低数を切ったら、画面のトップに赤く出る
- 朝、事務員さんがそれを見て、その場で発注処理

これだけです。本当にこれだけ


以前
ベテランの勘で気づく棚が自分で気づかせる
ホワイトボードに手書き画面に自動表示
発注のダブり、月数回ダブりゼロ
切れて製造停止、月1〜2回切れる前に発注完了

正直、最初はハイテクすぎて怖かったんです。
「機械に頼って、勘がなまるんじゃないか」って。

でも、使ってみると、逆でした。
ベテランの勘を「数字に翻訳した」だけだったんです。

ベテランが頭の中で「これ150本切ったらヤバい」って思ってたやつを、
画面に「最低数:150本」って書いただけ。


新しく入った若い子も、
「画面が赤くなったら発注」ってわかれば動ける。

ベテランの判断を、若い子に5分で渡せるようになりました。

これは、自分にとってめちゃくちゃ大きかったです。


40年やってきた工場を、いきなり全部 IT 化するなんて、
自分にはできないって思ってました。

でも、棚の在庫管理だけなら、3週間でできた。

これからは、他の業務も、ひとつずつ話してみようと思っています。
手書きの作業日報とか、外注先への発注書とか。

ITが苦手でも、業務はわかってるので。
あとは話すだけだ、って、今ようやく信じられるようになりました。